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幸さんの菊の花茶とダルマ

幸さんの菊の花茶とダルマ

10月の朝、買い出しの荷物を車から降ろす際に甘く漂う金木犀(きんもくせい)の花の香り。私にとってこの黄々とした香りが、本格的な褐色の季節の訪れを教えてくれる合図。そして花は記憶をつ...

森の妖精 津の天然茸 ポルチーニ編

森の妖精 津の天然茸 ポルチーニ編

7月に入って雨の日から2日後の朝、高い湿度の中車を走らせ森へと向かう。途中の野池でテールウォークする魚を見るが本日のお目当ては君ではない。...

森の妖精 津の天然茸 アミガサタケ編

森の妖精 津の天然茸 アミガサタケ編

初夏、竹と竹が擦れあう音を聴きながら藪へと入る。少々の緊張感なのか段々音が大きく聞こえてくる…。静かな生き物達の鼓動を気にしながら奥へ奥へと向かうと間もなく、帽子を被った童話の小人...

忘れていた美味しさと思い

忘れていた美味しさと思い

休み明けの火曜日、若いスタッフが行う儀式がある。今回は2月に入社したパティシエール(女性パティシエ)がその当番。大きなまな板、私の使い込んだ骨すきと言われる包丁を握りしめ、相手に挑...

皐月の頃

皐月の頃

桜の花びらがひらひらとレストランの裏口を飾る。朝の出勤時間で一番気持ちが良いこの時期。私のもうひとつの楽しみは限られたこの4週間、サツキマスが津の前浜で捕れることです。...

小さな巨人の干し野菜

小さな巨人の干し野菜

あるオーガニック系のマーケット。参加者がその姿を見つけると、目線に合わせて上体を沈める。つやっつやの肌と満面の笑み、そして山の声を代弁して喋る。...

くすんだ色のエビ

くすんだ色のエビ

年明け、市場からの荷物に厨房から歓声が上がる。騒ぎの主は90cmをゆうに超える8キロの天然ヒラメ。朝、津の前浜で揚がった海の幸。津の前浜はいくつもの川が、深い山の養分を運び、やわら...

はじめに

はじめに

11年前に三重県立美術館内にある、レストラン「ミュゼ・ボン・ヴィヴァン」のシェフに就任した時、師である伊勢ボンヴィヴァンオーナーの河瀬毅シェフに命名していただいたのが「野犬シェフ」...