翌年、三重県に帰った私は師匠から戦いのステージをいただいた。28歳でミュゼボンヴィヴァンのシェフに就任。その時師匠に「伊勢と全く違うカラーを打ち出せ!」という司令をうけ、山の恵と共にワインに力を入れた。数年後、さらなるレベルアップを図るべく、タルヤスの鬼頭さんにコラボイベントのお願いをし、今も毎回満席の人気イベント「マリアージュの会」をスタート。
そのイベントのクオリティにインポーターが食い付き、地方ではあり得ないような世界的なワイナリーを招いての美食の会を何度も開催。
様々な勉強会やツアーなど、いつもピエロが我々世代のワイン業界で舵をとった。そんなピエロが2016年にタルヤスを退社。四日市に僅か6席のワインバーをオープンした。
1番リーズナブルなグラスワインがドンペリ。レストランで4~5万するようなアイテムの数々がグラス売りされる。
笑いの絶えない店内で時折お客さんが一枚板のカウンターに頬を当てる。髪に出逢った時、人はこうなるのだ。「美味すぎる」。何度このフレーズを耳にしたか。そしてピエロは満面の笑みを浮かべる…。葡萄酒の香る小さなサーカス小屋で、今日もピエロのステージが始まる!